出演者の怪我やCOVID-19の所為で完成の目途が立たない実写版『カウボーイ・ビバップ』でスパイク・スピーゲル役を担当するジョン・チョウ主演の『search/サーチ』がネトフリに来たので鑑賞。
癌で妻を亡くした主人公が突如失踪した最愛の一人娘を探し出そうと四苦八苦する、あらすじだけなら『世界仰天ニュース』レベルで目新しさは無いのだが、全編パソコンのモニター内で展開するというアイデアが全ての面で成功している秀作。
会話の多くがビデオ通話で行われ登場人物が直接顔を合わせる場面が少ないなど、ある意味COVID-19禍で出来る映画作りの手本と言えるかもしれない。
失踪した娘の交友関係を探ろうとSNSを検索→非公開設定なのでパスワードを解除しログイン→フォロワーから聞き取り調査→関連ワードはすぐさまコピペしてGoogle検索→そして保存された写真や動画で娘の悩みに初めて気付く、といった具合に「今時」な描写の数々に唸らされる。
それと同時に事件を面白おかしく書き立てる掲示板、関係者に対する誹謗中傷、再生数を稼ごうとする便乗動画、他人の顔写真の無断使用といった、昨今のネットリテラシーの低さに対する痛烈な批判も忘れない。
意外な形で親子愛が作用してくる事件の真相や、送れなかったメッセージの伏線回収の見事さなど、いやはやこれは文句なしに面白かった!。
作品の性質上、パソコンやタブレットで観ると臨場感が更にアップするのでお勧めです。