「尺が短い映画をサクッと観よう!」という事でイーサン・ホークがガッツリアクションに挑んだ『リミット・オブ・アサシン』を鑑賞。
内容を改竄した嘘予告やポスターでは『ジョン・ウィック』の人気にあやかろうとしていますがプロデューサーが同じくらいの繋がりしかないので過度な期待は禁物。
しかし監督は無名ながら同じくスタント出身で、冒頭の襲撃シークエンスからスピーディーでキレのあるアクションを披露するなどセンスが感じられる。
ドラマに関しては設定を含めテンプレ過ぎるし、妻子を失って塞ぎ込んでいた割に渋々受けた依頼で知らない女とホイホイ寝る主人公の貞操観念が謎。
これまで散々汚れ仕事をしてきたのに何故か子持ちの中国人女性エージェントには情を掛けるなど腑に落ちない点が多々あるものの、イーサン・ホークの演技力の甲斐あって後半は感情移入することが出来ました。
タイムリミットが迫った終盤の殴り込みの激しさ。
敵に回った戦友との損得勘定を抜きにした男同士の友情などは往年のジョン・ウー作品のようで胸が熱くなること請け合い。
ただ伏線があったとは言えラストのあれは完全に蛇足で、妻子がいる"彼"を生かした方がテーマ的にも上手く纏まったのではないか?と個人的には思います。