いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年) -★★★★☆-

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インデペンデンス・デイ』も『ゴースト・バスターズ』も『メン・イン・ブラック』も『チャーリーズ・エンジェル』も『GODZILLA』も『ターミネーター』も新作が大コケし、アメコミ作品以外(『X-MEN』や『ヘルボーイ』は不調だったけど)続編がヒットしない米国市場において右肩上がりで成績を伸ばし続ける『ジョン・ウィック』シリーズ第三弾『パラベラム』

前作『チャプター2』がパワーアップしつつも続編ありきな終わり方で不完全燃焼だっただけに、その直後からスタートする本作は初っ端から本・ナイフ・斧・馬を駆使し30分足らずで十数人の追っ手を血祭に上げエンジン全開!!

マンガチックな設定にも拍車が掛かり裏社会のルールだとか序列だとか血の掟だとか正直ちょっと盛り過ぎて堂々巡りをしているような気がしなくもないが、それらは所詮ジョン・ウィックが大暴れする為の方便なのでグチグチ言う方が野暮ってもの。

キアヌが「銃だ。大量の銃」という『マトリックス』のセルフパロディかますメタフィクション要素からして、『ジュラシック・ワールド』のラプトルよりおっかないシェパード犬使いに『キャット・ウーマン』のハル・ベリーを起用したのも確信犯だろうし、きゃりーぱみゅぱみゅを流す珍妙な寿司屋の店主で暗殺者集団「シノビ」のボスを演じる知る人ぞ知る実写版『クライング・フリーマン』や米国版『料理の鉄人』のマーク・ダカスコスも『キルビル』と同じメソッドで一周回って笑える。

無敵モードの全身重防弾歩兵を正確無比に撃ち殺し、ショットガンで見惚れるほどの速射・高速リロードを披露する御年55歳のキアヌも大概だが、『ザ・レイド GOKUDO』のヤヤン・ルヒアンとセセプ・アリフ・ラーマンを迎え、近々の韓国映画悪女/AKUJO』のバイクシーンにオマージュを捧げるチャド・スタエルスキ監督の映画オタクっぷりが炸裂する、アクションバカによる、アクションバカの為の、最高のアクションバカムービーでした。

本作もヒットした以上、遅かれ早かれ続編は作られるだろうが降板してしまった真田広之さんの復帰と共に、日本人で唯一ジョン・ウィックとタイマンを張れそうな『RE:BONE』(関連動画のタイトルが「japanese john wick」!)『キングダム』の坂口拓さんにお声が掛かることを、いちアクション映画ファンとして期待しております。