いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『ザ・フォーリナー』(2017年) -★★★☆☆-

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デップーに散々ネタにされた『グリーン・ランタン』の失敗で長らくメガホンを取っていなかったマーティン・キャンベルが、ジャッキー・チェンピアース・ブロスナンのダブル主演で久し振りにスマッシュヒットを記録した『ザ・フォーリナー』を鑑賞。

いわゆる「怒らせた相手がスーパーソルジャー系作品」で、今回その役をジャッキーが担っているのがセールスポイント。
『東京インシデント』ほど血生臭くはないがコメディリリーフを封印した老ジャッキーがテロに巻き込まれ唯一の肉親を失ったことで犯人への復讐を開始するというのが本作の筋書き。
『96時間』と違い初めに娘の命が奪われてしまうので全編重苦しい空気が漂っており『イコライザー』や『ジョン・ウィック』のような爽快なジャッキー無双とならなければ、相対するピアース・ブロスナンも腹に一物抱えた政治家という役どころなのでジェームズ・ボンドの様なスマートさを期待してはいけません。

役者のイメージ先行で観るといろいろ肩透かしを食らいますが、監督以下出演陣は堅実な仕事をしており、同じ元兵士でありながら全てを失い捨て身のジャッキーと、ひたすら保身に入るブロスナンという構図が実に興味深い。

アクションは限定的でそこまで多くはありませんが地味ながら凝った殺陣やカメラワークで唸らせてくれるし、リアル志向なのにちょいちょいジャッキーらしい動きが混ぜ込まれていてニヤリとさせられること請け合い。

北アイルランド問題を下敷きにしたストーリーなど予想以上に政治色が強く、予算も控えめで全体的に小粒な印象ですが、変に媚びたりしない作風を含め硬派で職人気質な良作でした。

ちなみにエンディングでNGシーンは流れませんが主題歌は確りとジャッキーが歌ってます(笑)。