三期は実に海外ドラマっぽい作りで、そういうのが好きな者としてはめちゃくちゃ面白いんだけど、これが『psycho-pass』かと言われると別作品な気がしなくもない今日この頃。
いやむしろ犯罪をプロデュースする集団や、現実世界で起こった事件を物語に取り入れるなど「攻殻S.A.C.シリーズ」の流れで観た方がしっくり来るのではないか?。
1話から引き続き不審な事故死の真相を探る一係(というか灼とミハイル)。
なんやかんや文句言いつつ霜月も2人の行動にGOサインを出したり、イイ上司してるじゃない?。
ここに来て懇切丁寧に「サブプライム問題」を説明するアニメとか斬新すぎるんだけど、その後の893の事務所に乗り込むシークエンスなんかは『イノセンス』のセルフパロディで大いに笑わせて頂きました。
パルクールで雑居ビルの間を移動する灼の身体能力の高さや、ようやく炸裂するドミネーターの「エリミネーターモード」などアクションも満載で満足度高し!。
そして宜野座さんとまさかの狡嚙が早々に登場し吃驚仰天。
狡嚙はむしろシビュラシステムの敵=ラスボスになると予想していたので、体制側で本編復帰するとは思ってもみなかった。
そして三期では常守の方が裁きを待つ側に回ってるのが本当に謎。
私は先の劇場版三部作『sinners of the system』は未見なのですが、それを見ると全部繋がるのだろうか?。
しかし外務省所属で独自に犯罪者を負う部署とか、もうこれ公安九課じゃね?。
夫を失った奥さんに故人のメッセージを伝える暖かいエピローグなど「これが後味の悪さに定評のあるサイコパスなのか?」と信じられない気持ちになったし、そのままBパートで次の事件の導入部分を描く海外ドラマよろしくな「クリフハンガー」構成にも驚かされた。
新たな事件では被害者がいきなり「犬神家」で、このシュールさはどこか堤幸彦作品に通じる物があるんだけど、シビュラシステムに統治された世界ってもっとディストピア的というか、監視社会とまでは言わないけど息苦しい感じなのかと思いきや、選挙とかアイドルとかスポーツも認められてるというのは意外でした。
今度のキーパーソンは周りの人間の色相を濁らせる?都知事候補の元アイドルという設定盛り盛りのキャラクターですが、一係とどのような攻防を繰り広げるか今から楽しみです。