いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年) -★☆☆☆☆-

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平成最後の日だが雨でどこにも行く気になれないので『スター・ウォーズ』や『エイリアン』がそうであるように、映画としての金字塔を打ち立てながら金儲け主義に走り愚作を量産し続けた結果、地に落ちた『ジュラシック・パーク』の新作をAmazon prime videoで鑑賞。
そもそも前作の『ジュラシック・ワールドからして、恐竜で金儲けをしていた当事者が何食わぬ顔で恐竜保護を訴える滑稽さ、そしてそういう奴に天罰が下らず善良な人々が恐竜に食われる不愉快極まりない展開に開口した訳だが、本作もまた負けず劣らず酷い出来であった。

恐竜だらけの島に武装せず、あまつさえ視界不良な悪天候の夜に乗り込むアホな傭兵集団が登場する冒頭のシークエンスからして、この映画に出てくる人間の知能指数がラプトル以下であることを物語っている。
プロや専門家を自称する連中も雁首揃えてそれらしい行動を一切とらず、ギャーギャー喚きながら単なる怪獣と化した恐竜とギャグみたいなアクションを繰り広げるばかり。
やってることも前作が『ジュラシック・パーク』なら今作は『ロスト・ワールド』の焼き増しで、またしても恐竜のDNAを弄って兵器利用を目論むアホな企業が登場するのだが、クローン人間を作る技術があるのなら、その応用で強化人間を作った方が確実だと何故気付かない?。

失敗から学ばないバカな人類を嘲笑するためスタッフもバカを演じていると信じたいところだが、恐らく彼らは大真面目にやったのだろう。
感情論で動く人間の浅ましさを糾弾せず、あまつさえそれが正しいかのような結末には心の底から嫌悪感を抱く。
恐竜が可哀そうだから解放しましょう?。
そんな事したって翌日には最強の米国陸軍が総動員され最新兵器で無慈悲に駆逐されるのが関の山だと何故わからない?。
であれば苦しみもがきながら死んでいく恐竜たちの姿をしっかりと目に焼き付けてテメェ等の罪と向き合った方が神様気取りで思いあがった人間に対する強いメッセージになったはずだ。

ぶっちゃけ本作で一番まともなのは自分の悪行を認めた上で金儲けをしようとした御曹司くらいである。
彼が主人公とヒロインの欺瞞をガツンと指摘した時は胸がすく思いだった。
図星を付かれ、口では言い返せないからと暴力を振るう主人公は本当に最低だ。

恐竜たちの覇権が始まるようなラストだったがギャオスのように人をエサに単為生殖で爆発的に増えるわけでもないし、少なくとも大型の恐竜はすぐに捕獲されるか殺されて終わり。
共存などと宣っていたが自分たちの都合で持ち込んだ生き物を外来種、増え過ぎれば害獣といって駆除するのが我々人間である。
捕鯨をする日本は野蛮だ!!」と声高に叫ぶどっかの国は年間数百万頭のカンガルーを殺しまくる。しかも政府主導で奪った命を活用すらしない。
そういう現実を本作の脚本家は少しは勉強するべきだし、それができないならすっかり耄碌したマルコム博士ともどもこのシリーズはさっさと封印した方がいいだろう。